毎年この時期になると学校健診が始まります。
私は小中学校各1校、公立高等学校、私立中高等学校の4校を担当しています。が、年々生徒数・クラス数が減少しており、40年間学校医を続けてきたので、変化の激しさに危惧を感じます。健診が早く終わると喜んでいる訳にはいきません。
 年間出生率は1973年以降減少傾向が続き、厚生労働省最新の統計では、合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数に相当)は1,37で、低下の一途を辿っていたが、ここ数年は横ばい状態といいます。
 少子化現象が人口高齢化とともに加速すれば、わが国の労働力は低下し、社会保障負担が増して経済が破綻し国力失墜に繋がります。政治家はしっかりした社会・経済政策を立案し、晩婚化・未婚化を正す方向に努め、安定した社会構造にしていかないといけないと思うのです。
 私たちが育った時代と違い、児童・生徒の背丈はかなり大きくなりました。中高等学校で長身に並ばれると、上を向いて診るのに大変疲れます。検査はすぐ済むので、「もう終わるのか」「あれで何が分るのか」と悪態をつく生徒がいて苦笑しますが、希望に燃え、夢がある学生をみていると頼もしく感じます。とくに毎年春の小学校1年生の健診は楽しみで、この子達が高校卒業まで私も元気で学校に寄れるとよいと思う昨今です。
せっこくの花
写真は石斛(せっこく)の花満開、可愛い小学1年生の集団のようです。 (T.A)