近年IT関連の進歩は著しいものがあります。とくに携帯電話は何時どこでも情報伝達ができ大変便利なので急速に普及しました。各メーカーは競ってパソコンやワンセグ、カメラ機能などを備えた多機能製品を開発しています。
 先日、学校関係者と学校医が集う学校保健連絡協議会に参加しました。「子供たちの携帯電話・インターネットが危ない」の著者で、青少年メディア研究協会の下田博次先生の講演を聞き大きなショックを受けました。学童・生徒が携帯電話のインターネットを利用して有害情報を発信したり、他人を騙したり、傷つけたりして問題になる事例が多発しているようです。出会い系サイト、悪質なプロフなどで問題を起す事例報告があり、授業中にメールやゲームをしたり、呼び出したり、メールで私語するなど教師を困らせているそうです。  
 私が学校医をしている公立中学校では約40%の生徒がケータイを持っています。子供は親や先生を誤魔化す術を心得ており、塾に携帯を置いて遊びに行くと担当教諭が私に囁きました。
 私は孫娘にケータイを持たす必要はないと反対していましたが、親は塾の送り迎えと居場所確認のため携帯電話を持たせました。責任がもてない身なので仕方なく、必要機能だけの機種を選定すること、十分な話し合いのうえ与えることを伝えました。
 判断力の未熟な子供に高度機能の付いたケータイが果たして必要でしょうか。メーカーは競って高度機種を開発していますが、広く社会に与える影響は大きく責任は重いと考えます。将来ある子供を守るために、何らかの規制があってしかるべきです。規制機種、通話内容確認、学校内使用禁止などは親や教師の責務ではないでしょうか。
 当院では、数年前まで待合室に「携帯電話の使用は廊下でお願いします」と掲示していましたが、最近は診察室でも呼び出し音や話し声が聞こえるようになりました。時の流れには逆らえず、目に余るものは遠慮してもらいますが、ほとんどは黙視するようになりました。私は新しいものに関心があり、以前よりケータイで連絡とメールをしています。が、最近話し声が大きいと周囲に注意されるので、人ごとではないと反省します。
 情報伝達は確かに便利になってきました。が、子供を有害メディアから守るため、私たちはどうすればよいか真剣に考える必要があると思う昨今です。
富良野の向日葵
  「ヒマワリ」は成長が盛んな時期は太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回ることから和名では「向日葵」と書きます。キク科の1年草で種実は食用や油糧として利用されています。花言葉はあこがれ、熱愛などです。夏休みの元気な子供のように光輝く明るい花だと思います。プレゼント用として人気上昇中だそうです。  (T・A)