Hさんとの関わりは早くも10年近くになります。元気で通院されていましたが、入院手術の繰り返しで痛みや顔の変形に心痛されました。でも、常に心穏やかにプラス思考で過ごされ家族や病院スタッフから愛されている方です。元気で通院しながら趣味の作品作りに励まれ嬉しく思っています。

昨日小生傘寿の祝いに立派な花を届けていただきました。大変恐縮しましたが、有難く感謝の気持ち一杯です。早速診察室に飾らせていただき、スタッフ共々Hさんの健康を心より願っています。

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最近詠まれた作品が送られてきましたので、許可をいただき詩集より独断で選ばせてもらいました。

「 師に文を書くときの婆和やかで 取り留めもなき近況の笑み

趣味を持つ心のゆとり下手でよし 切り絵材料輝く笑みて

吾が夢は笑顔の中に包まれて 早く来いよと先行く友等

広告の裏に春の字書き並べ 指先訓練心華やぐ

大空は心象風景思うままに 婆だけが知る笑顔の中に

夢で逢い亡夫に抱かれる嬉しさも 冷たき肌に触れて目が覚む

何もかも人の手を借る婆なれど 自分に出来る時折りの気分

校庭に一かたまりで助け待つ 子等のニュースに涙とまらず

右頬の腫瘍手術にいささかの 右眼見えぬ不自由さ感じ

余りにも年恰好迄よく似てる 曾孫の七海見るたび声かけ

爪楊枝注射器変りに婆の腕に チクリと射して女医さん気取り

毎年の孫の京子届呉れ 山頭火の絵暦思い出飾る

一と日終え今日という日は二度となし 回想確め穏やかに笑む

吾が家の全景見たさに母さんの 車頼んで通路より眺む

悲しみも寂しさもなく「たん、たん」と 時の流れに身をまかせ

満月を一人占めして眺めれば 時折「ぐぐ」と情感添ゆる

卒寿過ぎ病む身は終日わが部屋で 友等それぞれディケアー行き

ディケアー健康保つ訓練に 老人と言えぬ若作り

二段跳び運動神経発達の 曾孫は婆にやつて見せ

入院の八階の窓風薫る  (14年5月朝日新聞入選作品)

夢を見る遺影は若く結ばれし 赤い糸の約束は無理

近頃の亡夫はやっぱり齢は齢 しょぼくれ旦那にめい想耽り 」

お断り;10回目が重複していたので今回は15回継続(4年間)の掲載となります。