学校医をしている中学校から今年は3年生を対象にした講話で「色覚異常」を取り上げてほしいと依頼されました。約80人の3年生と先生10名ほどに色覚異常者は男性の20人に1人いること、遺伝によるもの、進学・就職・結婚で考慮する問題点、希望者の検査は大事であるなど伝えました。
ご存知のように、平成3年以降学校保健法で決められていた小学4年生、中学1年生、高校1年生に対する色覚検査が進学や職業の選択において差別化を避けるため廃止となり現在に至りました。が、現在でもパイロットや鉄道従事者ほか一部の職業で差別化されているのが現実です。
見え方の違いを示す(左は正常者、中央と右は異常者) 注)ネット画面より
どこの学校でも備えてある石原色覚表(スクリーニング用) 8と6に見えたら正常者
日本眼科医会では小学校高学年での色覚検査を勧めています。進学や就職で不利になったり、本人が先で困らないようにするためです。学校長・養護教諭から父兄・学童に対し検査希望者が募られ、学校でのスクリーニングで異常が疑われたら眼科専門医による精密検査と指導が望ましいのです。もちろんプライバシーがしっかりと守られるのは当然のことです。