家族の愛情に包まれ、日々病気と闘っているHさんですが、最近電話が係ることが多くなりました。心寂しくなるからか、人恋しくなるためか、ぜひ会いたいと言われるので、支えになるならと時間作りお宅に出向きます。が、とても喜んでいただき、しばらく手を放してもらえません。
趣味の和歌や俳句は目や手が不自由なせいか、以前よりペースが落ち、手紙の内容は以前に増して、思い出、家族や医師への感謝が多く綴られています。
今年も元気で白寿を目指し、詩を沢山詠んでほしいと心から思います。
絵手紙に励まされ 新しき心にてふら付く想い平常心に成り
絵手紙に百万倍の言葉えり 感謝感謝に姿の日々終る
両陛下お歳を召され国内外に 痛まれり御心姿は切なく
お正月帰省込み入る自動車に 二匹の愛ネコと共に待つ姿
何もかも身に降りかかる母さんの 疲れも見せぬ動作を拝む
年越の皆揃ってのソバすする 手取り足取り姿守られし
思い出を綴る心に温かき 人情戴く幸せの花香る
老い病めで外の寒さに逢わぬごと 湯気立つ食を母さんの愛
宮中の歌会始め年毎に 書置く切り絵も出来ぬわびしさ
縁側のカーテン薄目に開けて見む 今迄になき白銀の庭
大寒にお心使い有難く 温かき部屋絵手紙嬉し
暖房に切り絵楽しむ無の境は 絵手紙眺め穏やき心
新聞を気の向くままに読み返し 時折の絵にハサミ入れる