暮れが近づいたある日、突然Hさんから電話があり、搗きあがった餅がるのですぐ取りに来てという連絡でした。早速伺い沢山のお餅をいただいたので、持ち帰りスタッフと分け合いました。
高齢や大病に正面から立向かい、詩に生きがいを見出し日々を大事に過ごされているのに感心します。ノートは昨年迄で73冊、月2回送られる手紙には2―3の詩が詠まれているのでその気力には敬服します。
小生も見習い、今年一年体力維持・ボケ防止に取り組んでいきたいと思います。
販売用を分けていただいたのかもしれず、有難いが申し訳ない気持ちです
毎年一流紙の歌壇に入選される実力に感服します
詩に感想や古き思いを添え、切り絵を張り付ける作業が生きがいだと感じます
詩集を見ていると、俳画や日記を老後の楽しみに過ごしていた亡き母を想いだします
お元気なHさんの最近作を少しご紹介します
「 亡夫と逢い語らず表情哀しげに 婆の坊主を撫で夢の覚む
月の庭椅子に腰かけ虫の声 体温調和も上々の庭
生かされて吾が幸せに感涙す それぞれの宇宙心廻せば
治療終え慈愛の笑みに包まれて 胸の御身札両手に包む
片時も忘れられない親心 逢う日待ちわぶ老いゆく姿
通院に行きも帰りも我が庭の 金木犀は香り届けり
一言で語れぬ婆の人生路 哲学の途を卒寿は語る
真心の籠れり言葉の絵手紙は 揺らぐ心の消しゴム務む
元気なら一緒に学び楽しむに 花に細目は更に増し眺む
久し振り七五三着飾って 曾孫の笑みに婆のうるむ目
知らぬ児が楽器袋ぶら下げて 重げに休み休み行き
次々と辺りの友は何処えやら 卒寿越えるも病持つ我が身
暖かき部屋に籠りてお喋りの 婆は時折り失敗に泣く
手の平に十三粒薬乗せ 朝昼晩と数をかぞえつ
かくれんぼやっと隠れてモウイイヨ 待てど来ぬ鬼ボール蹴りおる
深々と振り積む雪を窓越しに 眺む年の瀬平安を謝す 」