ご主人に先立たれた後、度重なる病を克服しつつ趣味の短歌を生きがいとして日々の生活を有意義に過ごされているご婦人から定期便がまた届きました。療養続けながら数か月に一度当院受診されますが、詩にはたえず家族や周囲に感謝の気持ちを持ちつつ過ごされている様子が表現され心打たれます。お借りした句集のほかに今回お盆を迎えた想いや最近の心情が添えられていましたのでご紹介しましょう。
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語りても尽きぬ憶いの限りなき若き亡夫(あなた)と米寿の私
盆を迎え影を慕いて別れゆくあの世と此の世の寂しき憶い
胸深く刻む思いの被災地を苦しむ心の人等憶いぬ
ねむれぬ夜眼科の先生に戴きし絵文眺めて微笑み浮かぶ
 
自分でも読めぬ筆文字乱れ書き安らぐ心持てる幸せ
 
退院の婆に見せるとひざに来て曾孫は曲を付けつつ丸書く
春雷に駆け込む猫を入れてやり
 
猫嫌い追っ駆け廻し婆なのに次々病めば心も変る
 
高野球楽しみ出来て見る婆も勝負けなしの一緒に泣ける
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 短歌や俳句集のすべてをご紹介できないのが残念です。共感する詩には教えられたり心打たれたりします。私には文通で励ますことしかできませんが、これからも病に打ち勝ち詩を生きがいとされることを願っています。    (TA)